追加・修正しました。第4弾
藤沢周平の作品の世界
みなさんこんにちは。 新型コロナウィルスの影響で、もう2か月あまり全ての予定がなくなり、暗い気分の毎日が続いています。外出と言えば、家から東西南北にコースを定めて、1.5Hほどのウォーキングを一日おきにして、3日に一度の買い物のルールを守り、人が変われば可として、週一でスーパーでの買い物です。
 没後24年、”小説職人”のようにただひたすら時代小説を書き続け、理想の郷をつくり、普遍の人間像を綴った藤沢周平。 登場人物は市井の人々、商人でも豪商ではなく丁稚であったり小さな店の店主であり、町の鍛冶職人や版木彫り職人、武士でも藩主ではなく下級武士、超人的な剣士や英雄豪傑はいない、時代が変わっていれば、あるいは自分でもあり得たような身近さを感じる。時代小説では珍しい、細かに描かれた水墨画を見るように目に浮かぶ風景の描写が、饒舌ではないが寡黙でもない、正確な筆の運びに魅せられて、すべての作品を読むことにした。
 すべての作品と本を手元に置き、藤沢周平の「作品の世界」に近づくために、を創りました。
藤沢周平作品を、読むときの参考にしていただければ幸いに思います。

    麻雀サークル・ボウリングサークル・サンゴの会(ゴルフ)会員:佐々木

あいさつ 出版された題名及び内容 発表年別作品名 出版年別の長編作品集
出版年別の短篇作品集 蔵書及び図書館で借りて
読んだ本名
藤沢周平全集に納められている作品名 読んだ短篇作品名
作品の表紙とあらすじ・作者のことば・No1 作品の表紙とあらすじ・作者のことば・No2 作品の表紙とあらすじ・作者のことば・No3 作品の表紙及びあらすじ・作者のことば・No4
代表作の表紙です、出版された順に置いてあります
藤沢周平氏 直木賞受賞作・46才 読者アンケートNO2 読者アンケートNO4
読者アンケートNO5 読者アンケートNO1 読者アンケートNO3 最後の長編作・66才
藤沢周平の時代小説は、北国の小藩を含む「海坂(うなざか)もの」ほぼ100作品、「江戸もの」200作品あまり、その他の作品に分けられる。
それらの作品には、退屈な作品は一作も無く、いささかの優劣もつけがたい。
読者は、どの作品から入っても、藤沢周平作品の世界を、存分に堪能できる。
”海辺に立って一望の海を眺めると、水平線はゆるやかな弧を描く。
そのあるかなきかのゆるやかな傾斜弧を海坂と呼ぶと聞いた記憶がある。
  美しい言葉である。” ----- 藤沢周平
令和元年5月に、藤沢周平の故郷・山形県鶴岡市に在る、「鶴岡市立藤沢周平記念館」を訪ねる旅の終りに、新潟県村上市の瀬波温泉で見た、「海坂の向こうに沈む夕日」です。
   
          「海坂藩」のふるさと、鶴ヶ城址公園(鶴岡公園)の写真

私は、大して読書好きという訳でもないのに、なぜこうも藤沢周平の作品に魅せられてしまったのか?多くの評論家も認める処ですが、時代小説には珍しい風景の描写あるいは自然描写が、最も巧みな作家なのです。
読者アンケートNO1の「蝉しぐれ」では、冒頭から1ページ半、600字ほど物語の舞台となる海坂藩の組屋敷の風景の描写に費やしている。過不足のない清廉な文章で、これから現れる物語の背景となる風景を、描きとめることが出来る。扱う主人公は江戸末期のどこにでもいる普通の人々、下級武士であり市井の職人や商人であり、生きた世が違っていれば私であり貴女でもあるのです。作家の考えを強く押し付けたりしない、気負わない自然体が良いのです。そういう人たちが爽やかな風が吹く、自然豊かなこの地に暮らし、ちょっとした弾みに他人を傷つけ、罪を問われる。常に身近に起きてもおかしくない事なのです。それが多弁ではないが寡黙でもない正確な筆の運びで描写され、たまには静かなユーモアで包んでくれる。それが読む人の心の在り様で異なる風景が見えてくる。 それを知ってしまった読者は、手元に置いて、なん回もなん回でも読み返したくなる。
出かける時は、常に藤沢周平の文庫本と一緒です。
   
          鶴ヶ城祉公園内にある、鶴岡市立藤沢周平記念館の写真

藤沢周平の生涯と、作品の世界を紹介している。 数多くの作品を執筆した書斎を移築・再現し、自筆原稿や愛用品なども展示している。 肉声を視聴できるコーナーがあり、低いが誠実そうな声を聴けた。 
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